定期巡回・随時対応型訪問介護看護サービスの運営を行っている具体例を紹介します。まず神奈川県横浜市では、日常生活圏域ごとに地域ケアプラザの設置を進めています。
そこではサービスについてメディアへ発信したり、ケアマネ連絡会へ市の職員が出向いて説明したり、事例発表会や広報誌などで市民へアプローチをしています。そうすることによって周知を図り、在宅での介護や看護のニーズに応えられるよう努めているのです。
その結果、「小規模多機能型居宅介護での共同生活になじめず介護拒否を繰り返すようになって夫婦が、自宅に戻りサービスを利用することによって、穏やかに暮らせるようになった」という事例や、「日中はデイサービスなどを利用していたが、急性腎不全により入院したため、退院後からサービスを利用することにしたところ、体調管理ができ要介護度が改善した」という事例がありました。
また、長崎県大村市では、設備の整った施設への入所志向が強いことを踏まえ、在宅での介護看護に対応できるサービスも広めようと尽力しています。広報誌にサービスについての概要を掲載したり、ケアマネ—ジャーの学習会でも説明するなどして周知を図り、在宅での介護看護の需要度などの情報収集も行っています。
「誤嚥性肺炎で急性期病院へ入院し、退院後に老人保健施設へ入所したが回復できず、ケアホームに転居してサービスの利用を開始したところ、随時ケアを行えたため状態が安定し、看取りまで行えた」という事例があります。
他には、「末期がんの患者が在宅での看取りを希望したため、サービスを利用し、午前中・午後・夕方にいたるまで定期・随時の訪問によってさまざまなケアを行い、1週間後自宅にて看取りを行った」などの事例もあります。